「コスト」からFX取引業者を考える


FXは投資取引ですので、通貨売買を通して利益を得て、自分の資産を増やしていく事を目的としています。
その利益を効率よく積み上げていくためには、投資取引に掛かる「コスト」を極力カットしていくという事を考えなくていけません。

取引業者に払わなくてはならないコストは、取引手数料や口座開設料、口座維持費、スプレッド幅、などいろいろなものがあります。
これらの設定は取引業者によって様々ですので、コストカットを目指すのならば、取引業者を慎重に選考しましょう。
現在では、取引業者による顧客獲得の方策として、取引手数料や口座開設料などは、ほとんどの業者で無料となっています。

残るスプレッド幅については、現在はいろいろな業者が模索の状態に入っており、今後の動向が気にされている最中になります。

スプレッドとは売値と買値の差のことを指しており、例えば「1ドルが100.05円から100.30円で取り引きされている」といった場合の、売値である100.05円と買値である100.30円の差の00.15円の事を言います。
このスプレッドの幅は、取引業者の手数料として徴収されることから、顧客としてはスプレッド幅の狭い業者を選ぶ傾向があります。

このスプレッド幅は、以前は広い業者が多かったのですが、一時的に加熱した顧客獲得競争の際に、各業者が競うように幅を狭めていきました。
しかしながら、こうしたことは取引業者にとっては収益が少なることにつながりますので、例えば米ドルと日本円、米ドルとユーロといったような人気の高い通貨の組み合わせにおいては、ごくわずかなスプレッド幅を設定し、その分の利益を他の通貨の組み合わせで広幅を取って調整するなどの苦肉の策を敷いており、現在では、少しずつこのスプレッド幅を広げていく業者も現れているのです。

このスプレッド幅を回復させていく傾向の背景には、やはり昨今の為替相場の不安定さなども影響していると考えられています。
顧客の注文を直接市場に仲介するのではなく、市場との間に入って、顧客と取引業者とでの相対取引を行っている国内のFX取引業者にとっては、このような相場の不安定さはリスクにつながりやすくなるため、実に頭の痛い問題であると考えられます。

このような状態が今後どうなっていくのは不透明であり、よりスプレッドを狭めていく方向になるのか、それともこのままある程度のところまで幅を広げていく方向に進むのか、ということへの見極めが必要になるかもしれません。

FX会社、コストの値下げ競争は終結!?

このところ、「今後FX会社はスプレッドを引上げるだろう」という見方が強まってきています。これまでは、顧客獲得のため、各社競い合って取引コストの引下げを行ってきたFX業界。しかし、最近その流れが変化してきているのです。

FXにかかる取引コストといえば、「売買手数料」と「スプレッド(買値と売値の差)」。各社が競うようにコスト引き下げを行っていた時には、売買手数料のみならず、スプレッドまでもタダ、つまり「コスト0円」というFX会社まで登場したものです。

ですが、それも、ここにきて限界を迎えているもよう。コストの引下げ競争が過熱しすぎてしまい、徐々に経営に支障をきたす会社が出てきてしまったのです。

FX会社は、基本的に個人相手のビジネス。大きなお金が動くとはいいっても、大手金融機関と比べればまだまだ小規模です。それにもかかわらず、大手金融機関より遙かに低いコストで取引できるようにしていたのですから、無理が生じることは初めから予想できていたことでした。

この7月、「SBI FXトレード」と「GMOクリック証券」の大手2社がスプレッドの引上げを行いました。

SBI FXトレードでは、取引が1万通貨以下の場合0.1銭としていたスプレッドが「0.29銭」に。5万通貨以下の場合0.29銭だったところが「0.48銭」に引上げられています。また、GMOクリック証券でも、200万ドルまでは0.3銭だったところ、「100万ドルまで0.4銭」に変更されています。

・FX会社の懐事情

スプレッド拡大の背景には何があるのでしょう。

まずは、やはり先述の通り、FX会社の苦しい懐事情が垣間見えます。このところ活気を帯びてきているFX市場。それでも…FX会社の収益にはなかなか改善がみられないというのが現状のよう。いくら取引数が増えても、激化してしまったコスト引下げ競争のために、FX会社自体の収益が伸び悩んでしまった、ということがあるようです。

また、マーケットの値動きが激しく安定しないことも理由として考えられます。それによりFX会社が負うリスクも増えたため、それを補う意味で、スプレッド拡大という手段を取ったものと考えられるのです。

今回、スプレッドの引き上げに動いたのは大手のFX会社。業界をリードする立場の会社の相次ぐスプレッド拡大を受け、おそらく、今後その他の会社も、これに続くのではという見方が強まっています。